【Ⅲ】

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「かた……わ、れ?」 「そう、片割れ。双子って奴ね。あ!! 双子の『双』と『奴』ってなんか似てるねー」 ……そんなこと言われても判んない。 頭の中がグルグルして、気持ち悪い。 だって、Bと泉澄が、双子……? 双子って何? 「泉樹、コイツ理解してないから」 「んー、七夕っち。どこから判んないのかな?」 「『双子』って、なんなの?」 「そっからかぁー。七夕っちは少しお勉強しなきゃねー。『双子』ってのは、同じママから同時に産まれた二人のことだよ。迷惑なことに俺と泉澄ってよく似てるじゃん? まぁ一卵性って言って──」 「似てないの!!」 「は!?」 怖くて頭の中グルグル混ざって気持ち悪いけど、ちゃんと言わなきゃ。 「お前、泉澄、と、違うの!! 似てないの!! 泉澄、七夕がイヤ、しないの!!」 泉澄は七夕を、本当に大事にしてくれる。 絶対に七夕が嫌なことしない!! 「ゴージョーなんだね、七夕っちって。まぁ、そーゆーのって、俺嫌いじゃないんだけどさ」 そう言った泉樹の顔が近付き、 「──ッ!! ……ん、や!!」 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!! 全身を強い寒気と嫌気が全速で走った。 泉澄がたまにしてくれるキスとは全く違うものだった。 「気持ち悪い、の……!!」 「え? 俺のキスが気持ち悪いって? ──大丈夫、これからだから」 泉樹の周りが黒く見えた。 怖い、助けて、 「泉澄──!!」 届いてよ、七夕の声。
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