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「かた……わ、れ?」
「そう、片割れ。双子って奴ね。あ!! 双子の『双』と『奴』ってなんか似てるねー」
……そんなこと言われても判んない。
頭の中がグルグルして、気持ち悪い。
だって、Bと泉澄が、双子……? 双子って何?
「泉樹、コイツ理解してないから」
「んー、七夕っち。どこから判んないのかな?」
「『双子』って、なんなの?」
「そっからかぁー。七夕っちは少しお勉強しなきゃねー。『双子』ってのは、同じママから同時に産まれた二人のことだよ。迷惑なことに俺と泉澄ってよく似てるじゃん? まぁ一卵性って言って──」
「似てないの!!」
「は!?」
怖くて頭の中グルグル混ざって気持ち悪いけど、ちゃんと言わなきゃ。
「お前、泉澄、と、違うの!! 似てないの!! 泉澄、七夕がイヤ、しないの!!」
泉澄は七夕を、本当に大事にしてくれる。
絶対に七夕が嫌なことしない!!
「ゴージョーなんだね、七夕っちって。まぁ、そーゆーのって、俺嫌いじゃないんだけどさ」
そう言った泉樹の顔が近付き、
「──ッ!! ……ん、や!!」
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!
全身を強い寒気と嫌気が全速で走った。
泉澄がたまにしてくれるキスとは全く違うものだった。
「気持ち悪い、の……!!」
「え? 俺のキスが気持ち悪いって? ──大丈夫、これからだから」
泉樹の周りが黒く見えた。
怖い、助けて、
「泉澄──!!」
届いてよ、七夕の声。
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