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「──……み、……き、て」
遠くから声がする。同時に揺らされる感覚。
頭と瞼が重い。
あ、俺寝ちゃったんだ。
「──起きたか、七夕?」
「うん。起きたら、泉澄、起きたなかったから、七夕──」
あー、心配されるっていいなぁ……。
何より七夕の漆黒の目が潤むってホントに──、
「七夕、ちゃんと食べる、の? だから……、七夕、一人やだの……」
ぎゅって、擦り寄る七夕が可愛くて愛しくて。
「いい子、に、……するの。だから、」
「うん、判ってる。七夕はいい子だよ。凄くいい子だよ。大丈夫だから。七夕を一人になんてしないから」
泣きじゃくる七夕を宥めるのも、案外悪くない。
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