1人が本棚に入れています
本棚に追加
まさに現代はその通りになってるじゃねえか...。
しかしなんだかこう、歪んでるよな。言い方が大人げないというか、ガキくさいよな青葉教授って。
「この原因が、なぜこの現代に究明されていないのかという謎が残るわけだが、それは諸君も知っての通りだ。現代には、そのパラケルススの完成させた錬金術がある...む?」
キーンコーンカーンコーン...
講義の終わりを知らせる鐘だ。随分いいところで終わったなぁ...。続きが気になると言えば気になるが、どうせまた来週もこの講義はある。嫌でも聴くハメになるだろう。
「今日はここまでにしておこう。次週会おう。」
捨て台詞キザだなぁ...。
去っていった青葉教授を視線で見送りながら、俺は鐘でも起きなかった大野を叩き起こした。
「おい、もう講義終わったぞ。起きろ。」
「んぅ...」
きもいなぁ...そんな寝ぼけた幼馴染の女の子みたいな反応...きもいわぁ...ヒくわぁ...。
実際俺の方がきもいことは言うまでもない。
「お前、なんで錬金術史とったの?」
授業聴かないのにとっているというのが理解できないので、至極まっとうな疑問である。
「いやぁ...あぁ...?」
「シャキっとしろハゲ」
だいぶ寝ぼけているようだ。いつまで机に突っ伏してんじゃねえよ。起こしてんだろ。
「あぁ...よく...寝たな...。」
よく寝たといいながら変な体制で腕を顔に押し付けていたせいか、所々赤くあとのついている頬を摩りながら、大野は欠伸をかいた。あのピンクの丸い食いしん坊も顔負けの大口である。
「大学で寝るなら家で寝ろ。」
大学が自分の意思で学びに来る以上、俺の意見はもっともなはずだったが、それに屁理屈で対抗してくるのが大野 聖という男である。
「眠いでしょ授業...最初は面白そうだと思ったよ僕も。だって錬金術だよ?実際に世の中に溢れてる超常現象なんだから余計興味湧くっていうの。」
意気込みだけは人並みだが、実際寝てるじゃねえかと突っ込むことしかできない。
「でもさぁ、始まってみたらさぁ、なんか難しくて理解できない感じ?メフィストストーン?ん?みたいな?」
専門用語を並べられるとクラクラするタイプの人種のようだ。帰ろう。
最初のコメントを投稿しよう!