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忙しく走る車、行き急ぐ人々が交差点を渡る、とある街中。
「うふふ腐ふふ…」
「………」
2人の男女がいた。
2人の視線の先には仲良さげにじゃれあっている男子高生達が歩いている。
「街中で仲の良いカップル……うふ腐ふ~」
「萌だな」
「萌だよねー!」
さて、ニヤニヤしている2人の容姿を説明しよう。
身長180cm前半ほどで、襟足長めの細い黒髪にクール系の整った顔の少年と、
155cm程度の身長で、ちょんまげのように括った前髪がピョコンと跳ねた前髪に茶髪ショートヘア。可愛らしい童顔の少女。
所謂、美少年と美少女だ。
ニヤニヤしている理由は、わかる人にはわかるし、わからなくてもその内2人からカミングアウトがあるだろうから、問題ない。
そんな2人の視線から男子高校生が消えた。帰路が違っていたのだ。
「ちぇー、惜しいっ」
「ん…、残念だ」
「ついて行きたいけど、今日はパパ達に呼ばれてるしぃー。諦めるかー、あーあ萌がぁー」
「…………あんなこっといっいなっ、でっきたらいっいな」
「あんなゆっめ、こんなゆっめ、いっぱいあるーけどー」
突然、某国民的人気アニメのOPを少年が歌いだし、何のツッコミも迷いもなく少女が続ける。
元気良く歌っていることもあって、街行く人々は思わずといった風に2人を見る。
しかし、2人はそんな視線を物ともしない強者であった。
「う?愛ー」
「ん?青い猫型ロボットいた?」
「居なかった!代わりにアイス屋さんがあるー」
少女が青いワゴン車のアイス屋を指差した。
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