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「えー」
「嫌だ」
王と王女に頭を下げられても、2人の心は特に動かない。
「愛は引き受けたらー?絶対愛が勇者だしー」
「巻き込まれが勇者だった、ていうのもあるだろ」
「ないなーい。あったら勇者選別した神殺すしー」
「というか今日オヤジに呼ばれていたんだが」
「あー、もう時間過ぎてるねー。パパ、キレてるかも。……そーいえば、おじさんさー」
「え、わ、私のことかい?」
少女が国王に話しかけると、生まれかつてそんな呼び方をされたことがない国王は戸惑う。
「若いよねー。絶対うちのパパより若いよー」
「そうか?そんなことないぞ?私も、もう37だ」
「若っ!見た目二十代だしー」
「クスッ、それは言い過ぎだろう」
一国の王にヘラヘラとタメ口で話す少女に、大臣らしき肥えた男が顔を真っ赤にして憤慨した。
「貴様っ勇者だからといって陛下に馴れ馴れしいぞ!」
「よい」
「しかし陛下…」
「私がよいと言っておるのだ」
「…は」
「あ、そっかー。王様だもんねー。ごめーんね?でも言葉遣いは直せなーい!」
「はははっ!君は面白いな!」
「にゃはっ!王様も面白いよー!」
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