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この“時空の狭間”には、人間の世界を象徴する“時の回廊”と、その管理人“点灯夫”(テントウフ)が住んでいます。
面白い事に“時の回廊”は入り口付近は明るいのですが、しばらく進むと一万年の長さを持つ暗闇に包まれています。
これは仏教の思想に基づいた設定です。
釈尊が生きていた時代(白法時代)、仏像を作る事で仏法が守られた時代(像法時代)、そして全く仏法が通用しない末法時代は一万年続くと説かれています。
その一万年の暗闇を照らすのは、人間が持つ命の輝きだけです。暗闇を照らす輝きを持つ人間は『灯り』と呼ばれ、死後一万年の暗闇を照らすために“時の使者”に連れて来られ、以後は“点灯夫”が管理する事になります。
基本的に人間は“時の使者”になれません。なぜなら、あらゆる時空を旅するため、人間の寿命では耐えられないからです。
その代わり“時の使者”は『灯り』になる事も、人間になる事もできないのです。
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