はじめに

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 きっかけは、故ミヒャエル=エンデが執筆及びインタビューに答えた科学の本『NHK アインシュタイン・ロマン⑥エンデの文明砂漠~ミヒャエル=エンデと文明論』(ミヒャエル=エンデ・河邑 厚徳:箸、田村 都志夫:翻訳、日本放送出版協会:発行)です。  この本から私は多くの事を学びました。  科学と詩心は切り離してはいけない事。  ファンタジーは人が持つ自然な感情に基づく事。  人間の感情を無視した科学は、やがて人間の心を荒廃させ、社会を砂漠のように変えてしまう事。  等々。  エンデの言葉は、完全に現実世界に絶望していた私に、生きる勇気と使命を与えてくれました。  かつての自分と同じく、文明砂漠で苦しむ人々に生きる勇気を与える作品(最初は絵本作家目指していました)を一生作り続けようと。  当時二十三歳。  女として結婚を急かされる年頃にして、私はこの使命のために人生を捧げる決心を固めました。  何度も「結婚したって創作はできるよ。」と言われましたが、実際に交際した相手にこの話をしたら「そんな妄想よりも自分の為に生きて欲しい。」と必ず言われました。  何度も迷いましたが、私は今でもこの原点を忘れていません。
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