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「珍しいこと言うじゃねぇか。どうした?」
ナイトも急に真剣な顔つきになり、青年の瞳をまっすぐ見つめている。
「ここ数百年で味わなかった予感です。」
「…なるほど。お前の勘はよく当たるからなぁ。」
そんな会話をしている内にナイトの肌はジリジリと音をたてて焦げ始めた。
本人は慣れているのか、全く気にしていない。
青年は不安そうに、力強くナイトの腕を握り締めると、俯いた。
「また…また“奴ら”が襲って来るんですか……?」
ポツリとナイトの腕に冷たい液体が零れる。
その液体は青年の涙で、絶えることなく流れ続けている。
「まだ決まった訳じゃねぇだろ?」
それを励ますようにナイトが青年の頭をポンポンと撫でる。
「…もし“奴ら”が、この箱庭を汚すようなことしたら俺が黙っちゃいねぇよ。」
ナイトは吐き捨てるように呟いた。
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