凛と修

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並木道を抜けたら見えるコンビニの前の横断歩道を渡り、大通りを抜ける。 入り組んだ、複雑な住宅街に駆け込み、とある公園で足を止める。 「あ、この公園。」 小さなブランコにボロボロの木材のシーソー。 ミンミンゼミが容赦なく鳴いている。 干からびた象の噴水が最も印象的だ。 「よく修ちゃんと遊んでた…」 両親が離婚する前の幼かった頃、よく修ちゃんとここで遊んでいたのだ。 そんな懐かしい思い出に浸っていると、コウモリが頭を突っついてきた。 「いたっ!」 コウモリは公園の奥の、森のような場所へ行ってしまった。 「ちょっと…!!」 肩にかけていたバッグをリュックサックのようにして背負い、走り出す。 様々な木々が入り組んだ森は蒸し暑く、蝉の鳴き声が鬱陶しい。 コウモリは器用に木々をかわし、森から抜け出した。 俺もなんとか森から抜け出すと、そこには小さな草原のような空間があり、中央には大きな穴があった。 「…なんこれ。」 ゆっくりと足を踏み出して穴の奥を覗き込む。 直径5メートル程の穴は、底が見えず真っ暗だった。 穴の中からは冷たい風が出ており、少し悪寒がした。 気味が悪い。 そう思っていると、コウモリが穴の中へ入ってしまった。 「えぇ!!?」 "ここに落ちろ"とでも? 無理に決まっている。 骨を折って、即死だ。 クルリと踵を返して帰宅しようとしたその時。 「逃げちゃ駄目ですよ。」 突如目の前に青年が現れた。 ドンッ!! 「はっ…?」 それと同時に俺の重心は後ろへいき、穴へ落下しはじめた。
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