餓鬼と餓鬼

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「なにやって……」 やがて、黒色の薔薇の花びらが宙を舞い、ひらひらと、ゆっくり地面へ落ちてくる。 花びらが全て落ちた頃には… 「うわ…!!」 小さなコウモリが姿を現した。 「すっげぇキザ……」 餓鬼がふはっと笑う。 コウモリは小屋の天井付近を旋回すると、俺の頭にとまった。 「お前をここに連れて来たコウモリだよ。」 頭にフッと手を乗せる。 するとコウモリは飛び立ち、餓鬼 の右肩へとまった。 「んで、お前を穴に突き落としたのもこいつ。」 「えぇぇ!お前かぁこら!!」 ガタッと椅子から立ち上がり、コウモリを指差して怒鳴る。 するとまた黒色の薔薇が舞い、花村に姿を戻した。 「…ほんまなんや……」 「僕は嘘をつくのが苦手ですから。」 そう言ってニンマリ笑う。 よく見ると、餓鬼も花村も綺麗な顔をしている。 餓鬼の方は中性的で、女と言われれば納得してしまう。 花村の方は、整ったルックスで、モデルにでもなれそうだ。 「なにぼーっとしてんだ?」 餓鬼が舌打ちをしながらこちらを睨みつけてくる。 「あ、なんも…花村……さんは何歳?」 「僕ですか?僕は320歳です。コウモリの一族の中ではまだまだ若造なんですよ! あっ!そろそろこのおチビさんのお話をしなくては!」 「誰がチビだ!!」 花村がつかつかとこっちに来て、また俺の目の前の椅子に座る。 「この人の名前はナイト。僕らの世界の運命を握る重要な方です。」
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