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「「ただいま~!」」
玄関のドアが開き、ベリクの父と母が帰ってきた。
「あら、お客様?」
買い物をしてきたのだろう、ベリクの母は食材が入った袋を下ろしながら僕を見た。
「あぁ、少し色々あってな、こいつ一緒に住まわせてもいいか?」
「えっ?!そこまでしてもらうわけには…」
急にベリクがそういったので僕は焦って立ち上がった。
「あ、いいわよー」
ベリク母のまさかの即答に焦っているとベリク父が口を開いた。
「俺も一緒に住むのはかまわないが、色々あったっていうのを詳しく聞きたいな」
「それは晩御飯を食べながらお話しましょう、君は何か苦手なものはある?」
ベリク母は買い物袋から食材を出しながら僕に聞いてきた。
(この世界の食材知らないから苦手なものもわからないなぁ…)
そう思いながらベリク母が出している食材を見ると日本で見た食材と寸分違わないものがいくつか見えた。
こっちの世界も、僕が居た世界も食文化としては似たようなもののようだ。
「全然ないです!ありがとうございます」
母が晩御飯の調理を始めたので、僕とベリクとカナンはリビングに行き、少し雑談をしていた。
「へーライヤは雷属性が得意なんだー!ほかに使える属性はあるの?」
カナンは僕と同い年だったということですぐに打ち解け、話しをしていた。
ちなみにベリクは僕の2歳上、つまり高等部3年だそうだ。
学校は?って思ったが今は夏休みとのことだった。
「僕は一応全属性使えるよ、あー希少属性は全く使えないみたいだけどね…」
「「えっ?!全属性?!」」
二人は声を揃え驚いていた。
「いや、お前希少属性使えないとかそんなことよりも、全属性使えることに驚きなんだが」
ベリクは苦笑いしながらそういった。
「私たち光属性が濃い血筋みたいでねー
私は光と水と土属性、水と土の混合属性の木属性も使えるんだよ」
カナンも割りとすごい魔法が使えるみたいだ。
「俺は光と炎と…あと闇属性が使えるぞ」
闇属性と言う瞬間に少し表情が曇っていたが、僕はそのとき気づかなかった。
二人とも魔法学園ではSクラスという総合成績上位の人が入るクラスに居るみたい。
しかもクラスの中でも成績上位だそうだ。
「晩御飯できたよー!!そっちに持っていくの手伝ってー!」
ベリク母からそう言われ僕達は立ち上がった。
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