共通プロローグ~転生者の少年たち~

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「リート様、準備が出来ました」 4対8枚の翼を背中に生やした天使が、白い装束に身を包んだ1人の男に話しかける。 「お疲れ様ー!ありがとねー、あとは適当に神っぽいセリフ言えばいいんだよねー」 白を基調とした豪華な椅子に座っている男は立ち上がり 腰を伸ばしながら言う。 「リート様…もう少し世界神としての自覚を…」 天使はそう呟きながらどこかに消える。 「お堅いなぁ…もう…」 リートと呼ばれた世界神は呟きながら手を振りかざす。 すると、彼の周りに12個の光が現れた。 「「「ここは…?」」」 光の中からは10代の少年達が現れ、そう呟いた。 「あ、えーっと 我は世界神リート、そなた達を呼んだのは我だ」 軽く咳払いをしてからリートはそう言った。 すると口々に少年達が騒ぎだす。 「世界神…?」 「なにここ、誘拐?」 「慎二!大丈夫か?!」 「慎一?!僕達さっき…」 「…なるほど…ね」 「すいません世界神リート様。 質問いいですか?」 なるほどと呟いた眼鏡の黒髪の少年が手を上げる。 「えっ、あ、うん、いいよー」 神っぽいセリフを忘れ、素で返してしまうリート。 「キャラ作ってたのか…まぁいいや あのー、僕さっき車に轢かれて死んだはずなんですが これは俗に言う転生的な、ファンタジー的な流れですか?」 眼鏡の黒髪の少年が眼鏡を整えながら問いかける。 「あー、うん、そうだね、よく知ってるね…」 リートは少しテンションが下がりつつそう答えた。 「君達には、僕が管理している12個の世界に行って欲しいんだ ただ、双子も居るしそれを分けて別の世界に行ってもらうのも何だか悪いし、そこの双子は一緒の世界で、新しくもう1人連れてこないとね」 周りを見たあと、慎一と慎二という2人の双子に目を向けそう話す。 「拒否権とかは無いの?」 黒髪の少女は表情を変えずにリートに話しかけた。 「うん、無いね強制かな! 君達も選考して選んだ勇者的な感じの人達だし! 今いる人達には、さっき死んだ人や急に召喚した人もいる 召喚した人はもちろん行ってもらうけど、死んだ人達は拒否した場合、もうその時点で死んだままにするよ そうなるとまた選考しなおさなくちゃ行けないから強制ね」 「分かったわ」 リートの答えに何も反論することなく受け入れた少女。 周りも理不尽に思いながらも、 どうしようもないという雰囲気を感じていた。
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