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「えーっと《光の力よ、我が傷を癒せ、ヒール》
…………初級だしホ〇ミ程度のだね」
魔力を練り、手に集め詠唱するもコントロールが全く上手くいってないのか、ほとんどの魔力が霧散してしまい、ちょっとしか回復出来なかった。
魔法の特訓とかしないといけないな…。
そう思いながら、適当に辺りを探索することにした。
『ねぇねぇ』
ザッザッ(歩く音)
『ねぇってば!』
何か聞こえるが…まぁ、無視でいいか。
『ちょっと!聞こえてるでしょ!反応してほしいのだ!』
頭の中に直接語りかけてくるが、声はリートではない。
「あー、もしかして…属性神の子供かな?」
『そう!!やっと反応したのだ!』
嬉しそうな声が頭に響く。
「うん、それじゃあね」
素っ気なく返事し、また歩みを進める。
『いやいやいや!!!!!話聞こうよ!ね?!話聞こう?!』
「なんだよー、頭の中で喋らないでよ…
うるさいんだよー!!!!」
急に大きな声を出す僕。
『うわっ、びっくりした…ごめんなさいなのだ…』
「とりあえず話聞くけどさ…直接話せないかな?」
割と頭の中に直接響く声はうるさい。
なんか黄色い魔法陣が下に出てきてめっちゃ光ってるんですけど。うわっ、まぶしっ。
「おいらが雷の属性神の子供なのだ!」
光が収まった黄色い魔法陣から現れたのは、淡い黄色の毛をした子犬サイズの狼?犬?犬でいいか。
「あの、今失礼な事考えてるのだ?
犬じゃないのだ、雷の属性神の神狼フェンリルの息子なのだ、犬じゃないのだ、狼なのだ!」
あれ、フェンリルって雷…?関係あったっけ?
まぁ、オリジナルと考えておくか。
「あ、うん、とりあえず犬ってのはよく分かったよ
んで、どうしたの?」
犬と呼ばれたことにより怒ったのか尻尾がピンっと立っている。
可愛い。
「犬じゃない!狼なのだ!!
そんなことより、世界神様にお供として一緒に行くように言われたのだ!
契約のために名前をつけて貰う必要があるのだ…ハァ」
怒り疲れたのか、ため息をつきながらそう言った。
「あー、使い魔契約的な感じか…」
そう呟きながら僕は名前を決めた。
「名前、グロムってのはどう?
ロシア語で雷って意味で…まぁ、本当はグロームって言うんだけどね」
「グロム…うん!それでいいのだ!ありがとうなのだ!」
犬…いや、狼の顔で器用に笑顔を作り、尻尾を振るグロム。
可愛い。
口調も相まって可愛い。
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