雷の章~はじまり~

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「ところで雷夜、雷夜の武器は何なのだ?」 世界樹の辺りまでぶらぶらと2人(1人と1匹?)で歩いていると唐突にグロムが口を開いた。 「武器…か…そういえばリートがなんか一人一つ特別な武器と特殊能力を渡すとか言ってたよね…」 そういえば貰ってないと気付き、リートにその事を訴えた。 『あーごめんごめん!転生してから皆に渡そうと思ってたけど、忙しくてすっかり忘れてたよ! 雷夜くんはなんの武器がいい?特殊能力はこっちで適当に選ぶけど』 そう言われ少し考える雷夜。 「短剣…というかショートソード…?位のそんなに長くない剣が欲しいかな…」 『じゃ、短剣の中でも割と長い方のショートソード位のものだね!』 ヒュンッ!トスッ!! 上空から何か降ってきたと思えば、僕の鼻を掠るように 少し質素な短剣が目の前を通った。 「あっぶな!!!」 地面に刺さっている短剣とその横にいつの間にか鞘も置かれていた。 『それは聖剣、この世界では雷剣グラディウスだよ 雷夜くんの注文通り刃渡りは40cm程のショートソードだよー』 頭の中に直接グラディウスの説明をされるが、そんなことより鼻先掠ったことに関して物申したいのだが。 「まぁ、ありがとう… すごく厨二病心をくすぐられるような感じだね」 そんなことを言いながら腰の後ろに鞘を着け、右手で逆手持ちして抜くようにした。 「意外と重いんだね…」 (そういえば眼鏡ないけど目も普通に見えてるし、身体能力の向上で目もよくなったのかな) 『あ、そうそう!特殊能力なんだけど 雷夜くんは、《投げた物》に対して瞬時に移動する 《スローテレポート》にしたからね! 魔法もそうなんだけど、イメージで大概の事は出来るから!それじゃあまたね!』 そう言われ、実際に落ちていた石を軽く前に投げ、そこへ移動するイメージをする。 少し重力に引っ張られる感じがした後、手に石を持った状態で移動していた。 「おおっ!これ凄い!楽しい!」 特殊能力に喜びながらしばらく遊んでいた僕だった。
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