第一章 友人とのひととき

5/5
前へ
/9ページ
次へ
「フロウゥゥゥゥ開けるな、変なオーラ出てるから、ってうわクサッ絶対死ぬって臭いがまずやばいもん」 マイナは鼻をつまむと2歩3歩と後ろに下がる。 そして、それを相変わらず変な人だなとフロウと呼ばれた死神は横目で見ながらクッキーを一枚口に入れる。 「うん、なかなかうまいッスよ、、ほんのり甘くて、少しフルーツ的な匂いが…」 平気な顔で食べ続けるフロウ、それをみたマイナは本当かよと疑いながらもクッキーへと恐る恐る近づいていく。 「別にクッキーが襲い掛かってきたりはしませんよ、どうぞ食べてみてくださいッス」 マイナは一枚手に取るとゆっくりと口に持っていき一口かじると「ガポォォ」と変な声が聞こえフロウの方を見てみると。 「じっちゃん、じっちゃんだ、、まってよじっちゃんココに来るなじゃないよじっちゃーん」 口からは大量の血を噴出しながら目は白目、体中の筋肉が痙攣を起こしているのではないかというほどの震え。 マイナは躊躇うことなくフロウの腹にストレートをぶち込むと口からクッキーが噴出する。 そして口に入れていたクッキーも吐き出すとフロウ腹にもう一発ぶち込む。 「ギャォォォ、な、なにするんスか」 「何死にかけてるの、ねぇ何死にかけてんのォォォォ馬鹿なの死ぬよ、その馬鹿早く治さないと死ぬよ」 「いやぁ馬鹿は草津の湯でも治らないって言いますし」 「ちげぇよそれは恋の事だよ、何だよこの馬鹿、相手にしてると疲れるよ」 フロウの天然ボケにたいして疲れながらもツッコミを忘れないマイナ。 「疲れてるんなら温かいお風呂に入ってよく寝るといいッスよ」 「あぁ、、、そうだな今日は早く寝よ」 そうしてフロウはサムズアップをしながら帰っていった。 残されたのは異常に疲れたマイナと後半分はあろうかというクッキーだった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加