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ある年の夏のことでした
私は友人の男女6人と避暑に出かけ長野県のある場所にある山小屋へ出かけました
都市部では連日30°を越す猛暑の毎日が報道されていましたが訪れた先では暑くても28~9°で日陰に入れば涼感を得られる日本の本来の夏風情が満喫出来ていました
夜になると仲間と酒盛りをしたり花火をしたり夏休みを楽しんでいたのです
ある夜、友人の1人が
「怪談話をしないか」
と提案したのです
「え~、怖いよ~」
女の子の怖がる嬌声に
「やろうぜ」
男達は下卑た笑いを浮かべ賛成しました
怖がった女の子が恐怖にかられしがみついてくることでも期待していたのでしょうか
なかば男子に押しきられた格好で怪談はなしが始められたのでした
「じゃあオレから話すわ」
この怪談大会の言い出しっぺの男友達がかわきりの名乗りをあげました
「この話はある廃屋になったつぶれた病院で…」
なんだかどこにでもあるような怪談話でしたが女の子たちには思ったよりも効果覿面でみな顔をこわばらせて聞き入り、隣にいた女の子などは僕の二の腕を両手できつく掴んで来ました
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