69人が本棚に入れています
本棚に追加
「拾ったって…お前無理矢理連れてきたんじゃ…」
「生徒会長がそんなことするわけないだろ。助けられたお礼に何かしないと気が済まないってソイツが言うから連れてきた」
事実がかなり改ざんされてるんですけど…。
横目で睨むとこちらをちらりと一瞥した会長は鼻で笑った。
な、何こいつ…!
むかつく!
「陽向、そいつに花の作り方教えてやれ」
「はいはい」
陽向と呼ばれた彼はあたしに近づいてくると優しく微笑んで自己紹介をしてくれた。
「俺は2年B組の杉村 陽向。君は?」
「2年D組の楓 美琴です」
「美琴ちゃんか。ごめんね、うちの会長が迷惑かけて…」
「いえ…助けてもらったのは事実だし、帰っても暇ですから手伝います」
「ありがとう。すごく助かる」
杉村君はにっこり笑いかける。
…すごく優しそうな雰囲気が滲みでてる人だなぁ。
「せっかくだし生徒会役員を紹介するよ。
会長の横にいるのが副会長の織田 柊真先輩、
ソファーに座ってるのが書記の呉白 恵理香先輩、
花を抱えてるのが同じく書記の三澤 鈴々ちゃん、
それから…会長の壱月 怜央」
杉村君はちなみに俺は会計ね、と付け足した。
「陽向、明日の対面式で新生徒会役員の紹介があるんだから今しなくてもいいだろ。それより花」
「分かってるよ」
会長の言葉に杉村君は肩を竦めると、床に座って折り紙で花を作って見せてくれた。
「折り紙あるだけ使ってくれていいからね。また分からないことがあったらいつでも聞いて」
「はい」
最初のコメントを投稿しよう!