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あたしはみんなの邪魔にならないように部屋の角へ移動しせっせと折り紙で花を作り始める。
ちらりとあたりを伺うと、みんな忙しそうに仕事をしていた。
…なんかすごいな。
たった5人で行事の管理をするんだもんね…。
今まで生徒会に関わったことがなかったあたしにとって 初めて知った生徒会の苦労とその存在の偉大さだった。
ー…
「ふぅ…」
あたしは花飾りを作り終わり、ついでに風船も膨らませた。
一息ついて時計を見るともう8時を過ぎていた。
もうこんな時間…。
「美琴ちゃん終わった?」
「終わりました!」
「ありがとう。ほんとに助かったよ。あとは俺たちがやるから、美琴ちゃんは帰っていいよ」
「え…」
でも…。
手伝うことがあれば、と思っていると杉村君は これ以上手伝わせるのは申し訳ないからと頭を掻いた。
「あとは美琴ちゃんが作ってくれた花や風船を飾り付けるだけだし、すぐ終わるよ」
「じゃあ…頑張ってください」
「ありがとう。気をつけて帰ってね」
あたしは杉村君に見送られて生徒会室を後にした。
うーん、と伸びをして歩き出す。
明日無事に対面式できるといいな。
そんなことを思いながらあたしは家に帰った。
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