スリリング・バスタイム

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鷹野は一通り教えると、留奈達に手を振る。 「頑張れよ、一女(いちじょ)! 統計学必修だから、落とすと追試だよ。 皆で試験をパスして天文部の合宿行こう!」 そう言って三階へ続く階段を軽やかに駆け上がる鷹野の後ろ姿に留奈が見惚れていると、 友達の一人がヘアバンドをした茶髪を揺らしながら、留奈を小突く。 「良かったじゃん、留奈。 鷹野先輩にあんなにくっついてもらえて。 先輩、彼女いないらしいから、合宿で告っちゃいなよ!!」 留奈は顔を真っ赤にして茶髪の友達をどつく。 「やめてよ、琴音(ことね)!!」 琴音は留奈にどつかれた右腕を擦りながらニヒヒと笑う。 琴音の横にいたもう一人の長い金髪の友達もフフフと微笑む。 「先輩、留奈に気があると思うよ。 何かにつけて留奈にかまってるし。 良いなあ、先輩に好かれて。 スポーツ万能、秀才、それに仕事もできる人って、 そうそういないよ。 やっぱり、この夏が勝負でしょ!!」 留奈は溜め息をつく。 「ユリアまで!!」 三人が談笑していると、テスト始業5分前の鐘が鳴った。
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