1人が本棚に入れています
本棚に追加
亡者達の手が振り解かれていく。
「危ないところだったね。」
若い男の声がした。
見上げると、声の主である青年の顔が見えた。
髪は茶色がかった黒で、目は深い蒼、そして真っ黒なロングコートを着ていた。
「悪いけど、もう少し待ってね。」
彼は俺を押し倒し、その上に着ていた真っ黒なコートを被せた。
すぐ側からは、渇いた脆いものが折れる音、潰れる音、砕ける音などが聞こえてくる。
5分程経ったであろうか、音が止んだ。
少しして、被せられていたコートが取り除かれる。
「悪いかったね、乱暴な事して。
もう大丈夫だよ。」
「い、いえ、助かりました。
ありがとうございます、、、。」
「どう致しまして!
にしても君危ない所だったよねー。」
「、、、あの、、、、、奴らは、俺に何をしようとしてたのですか?
ここは何処なんですか?」
んー、と青年は顎に手を当てる。
「ここじゃそれを説明するには危な過ぎるかな。
とりあえずボクらの隠れ家に移動しようか。」
そう言って青年は俺に被せていたコートを着た
最初のコメントを投稿しよう!