第1話

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俺はこの日、いつものように教室を出て駅に向かい、改札を通り、ホームで電車を待っていた。 はずだった。 ふとケータイから顔を上げると、其処はなぜか墓地だった。 日本の墓石もあれば西洋の十字架もある。 そして、なぜか真っ黒な鎌も。 それらは地震にでもあったのか、すべて不気味に傾いている。 「なっ、、、何処だよここは、、、!」 俺は確かにいつもの改札を通ったはずだった。 なのに今はなぜかこんな不気味な場所にいる。 自分で自分が信じられなかった。 辺りには墓しか無く、地面はどす黒い。 それに反して、空は真っ赤だった。 そしてそれが延々と続いている。 呆然と立ち尽くす俺の顔の前を辺りに漂う紅い霧が通り過ぎる。 「、、、、、っ!?」 強い、血の匂いが鼻を突く。 その瞬間、背筋が寒くなり、身体中の毛が逆立つのを覚えた。 早く此処から出なければ、、、、、! 此処は、、、ヤバい、、、!
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