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特にする事もなくスマホを弄くったり、たまに時計や周りを見渡したりと普段通りの行動に勤しんでいると、ふとソレが目に止まった。
自分の席より少し離れたところに座っている彼。
これといって目に付く行動をしている訳ではなく静かに本を読んでいる。
(またか…)
そんな彼の事を私は知っていた。
「あーいちゃーん!」
後ろの扉から数人の男子学生が入って来て彼の名前を呼んだ。
「藍ちんオハ~」
「あ、また本読んでる。」
「ラノベじゃなくて純文学な!」
騒がしく入室してきた学生たちは彼の近くに座り、彼を中心に会話を繰り広げ始める。
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