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…私の本当の姿を見ても、恐れないなら、ね。 そっと胸の内でつぶやく。 男は特に気にした風もなく、唐突に踵を返した。少し歩きかけて、振り返る。 「どうした?」 「…それは私の台詞よ。なぜ振り返るの?」 「ついて来ないからだ」 今度こそ、女の目はまん丸になった。 「ついて来ない?から?どうだという…」 「あぁもう面倒くせぇ。おまえいく宛はないんだろ?」 「…ないわ」 「じゃあ俺の船に乗れ」 「…自慢じゃないけど、私はこちらの不審人物よ?IDも個体情報も何もない。宇宙船なんかに乗せても怪しいことこの上ないわ」 十分筋の通った話ではあるが、男はニヤリと笑った。 「あいにく俺の船にはそういうものは必要ないんだ」
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