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男はパーティー会場へ向かった。辺りに油断なく目を配りながら、人のざわめきが聞こえる距離まで来て初めて緊張を緩めた。
「セラ、よ。…あなたは?」
女は突然口を開いた。
「呼び名がないと不自然でしょう?一緒にいるのに」
男は薄く微笑むと、久しく口にしていない名を名乗った。
「アトゥム・ヘリオス・アテン・アウグストゥスだ。おまえは?セラってだけじゃないだろう?」
「…セラフ・アグライア・セレネー・コンスタンよ。あなたは何と呼べばいいの?」
「ヘリオスだ。…さぁ、芝居だぞ」
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