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ヘリオスは困ったように頭をかいた。 「綺麗な女たちが嫌いなわけじゃないが、いっぺんにアレ全部ってのは勘弁して欲しいぜ…」 さっきから女性はほぼヘリオスに釘付けである。連れの男やダンスの誘いも眼中に無いらしい。ヴァーリもいるので、そこだけ妙に華やいで?見えるのだ。 「ミスター・オーディン」 「ヴァーリでいいぜ。ミズ・コンスタン」 「では私のこともセラと呼んで。ヴァーリ。彼はいつもこうなの?女性が放っておかないでしょうに、誘いは断るの?」 「そうさな、面倒くさいんだと。あんたが嫌でなけりゃ、こいつと踊ってやったら立派な女除けになるぜ?」 「踊る前に、殺されそうだけどね。殺気が感じられる視線だわ」 ヘリオスはため息をついた。 「セラ。俺は面倒は嫌いだ。おまえは安全な場所が必要だ」 「利害は一致してるわね。…ダンスの手ほどきをしていただけるかしら?」 そう言って、ヘリオスに釘付けの女性陣をチラリと見て、微笑を浮かべる。 ヘリオスは自然に手を取り、ホールの中央へ出た。
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