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「…ん…ふっ…」
細い喉がコクリ、と酒を飲み下すのを確認し、男は安堵の息をこぼす。
瞼がゆっくりと上がる。
その目の形は、鋭くも優美な曲線…アーモンドアイズ。
瞳はブラウンだが、こちらも金が混じっているような光沢を示す。
間近で見た男の美貌に臆する様子もなく、口を開いた。
「…ありがとう。…ここは、どこ?」
男は軽く眉を上げた。
「初めてだな」
対する女は首を傾げる。
「何が?」
「俺の顔を見て、騒がなかった女が、だ」
女は瞠目し、クスリと笑った。
「それは失礼。嬌声でも上げたら良かったのかしら?」
「いいや、大いに結構だ。立てるか?」
「大丈夫、だとおもう…」
言いながら、女は慎重に身体を動かす。
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