134人が本棚に入れています
本棚に追加
幸せと思えれば思える程、私は不安になる。
いつかその幸せを失ってしまうんじゃないかって。
この目の前の幸せを失ったら私はどう生きていけばいいかわからなくなる反面、自らがこの幸せを手放してしまいたくなる衝動にかられる。
満たされていない時は感じなかった不安。
あの時は、何も失うものがなかった。
そう、失うものなど何もなかったから私は何も怖くなかった。
希望や夢、感情を失った私は、ただ自分を傷付けるだけ…。
生きる意味を失ってただ流れる時間があるだけだったんだ。
今は、やっと愛する人との式を確かな幸せを掴む事が出来る筈なのに。
ふと空を見上げた。
澄み切った青い空、吸い込まれてしまいそうな海の深い青。
波音が私の気持ちを鎮めていく。
その時、私はざわついていた気持ちが少しずつ晴れていく事を感じた。
最初のコメントを投稿しよう!