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「私守ってみせるよ。母さんがしてくれたように」
父親が生きていた時もいなくなってからもずーっと私達を深い愛情で守ってくれた母親。
「幸せになる。この子と一緒に」
そう、私のお腹には小さな命が宿っていた。
新しい家族が。
「だから、父さん、母さん今までありがとう。見守っててくれたよね」
その時、誰かが近寄る音がした。
そこには、兄がいた。
「お兄ちゃん」
「ちか」
兄の手には母親の好きだった花が握られている。
「おまえもきてたのか?」
「うん」
「そうか」
それだけ言って兄は私の隣にしゃがみ込み線香をあげた。
「ちょっと時間あるか」
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