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あ、口に出ちゃった
そう思ったときには遅かった
「はぁ?」
しかも、男は二人ともこっちを見ている
ならば、言ってしまえ
「見てたんじゃなくて、睨んでたんだけど。そんな違いもわかんないんですか?たっくんさん?」
「なに?フラれたから逆上ってやつ?」
「うぜえな。黙れよカス。うるせーしよ、ここ何処だか分かってんのかよ」
そう。ここは電車。
彼らの他に声を立てるものはいない。
「ねぇ、そんなに傷ついちゃった?」
「だいたい?俺の領地って。犬かよ、マーキングでもしてんの?」
「はあ?てめえ失礼にも程ってもんが.....」
「あ、そーか。犬に失礼だったわ」
「あぁ!?」
男。もといたっくんが、胸元を掴んできた。
「まっ、まーまーたっくん。ほら彼女もさ、フラれて......」
「馬鹿言ってんじゃねーよ。あたしはイケメンが好きなんだよ」
「あ?」
「わかんねぇのかよ。誰がてめぇみたいな不細工に一目惚れするかって言ってんだよ。」
「あぁ!?」
たっくんが殴りかかってきた。
あたしはそれをかわし、
カウンターに右ストレート。
「たっくん!!」
古森 爽(こもり さや)
19歳
これがあたしの日常。
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