片目に咲く花

3/18
前へ
/72ページ
次へ
あ、口に出ちゃった そう思ったときには遅かった 「はぁ?」 しかも、男は二人ともこっちを見ている ならば、言ってしまえ 「見てたんじゃなくて、睨んでたんだけど。そんな違いもわかんないんですか?たっくんさん?」 「なに?フラれたから逆上ってやつ?」 「うぜえな。黙れよカス。うるせーしよ、ここ何処だか分かってんのかよ」 そう。ここは電車。 彼らの他に声を立てるものはいない。 「ねぇ、そんなに傷ついちゃった?」 「だいたい?俺の領地って。犬かよ、マーキングでもしてんの?」 「はあ?てめえ失礼にも程ってもんが.....」 「あ、そーか。犬に失礼だったわ」 「あぁ!?」 男。もといたっくんが、胸元を掴んできた。 「まっ、まーまーたっくん。ほら彼女もさ、フラれて......」 「馬鹿言ってんじゃねーよ。あたしはイケメンが好きなんだよ」 「あ?」 「わかんねぇのかよ。誰がてめぇみたいな不細工に一目惚れするかって言ってんだよ。」 「あぁ!?」 たっくんが殴りかかってきた。 あたしはそれをかわし、 カウンターに右ストレート。 「たっくん!!」 古森 爽(こもり さや) 19歳 これがあたしの日常。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加