第一章 新たな力

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   受付のカウンターに頬杖を付き、紗理奈はそう呟いた。  立頭大付属高校は、地域でも有数の進学校。その偏差値の高さから、有名な名門校と誉れ高い。  そんな学校でも、学力に難のある生徒はいるものだ。  洋輔は、そんな生徒の間で有名であった。  特に、女子の間では。 「まさか、教師よりも教えるのが上手いなんて、あの姿からは想像も出来なかったわよ」  その為に、女子が図書室を訪れるようになった。  紗理奈も、それで洋輔を意識するようになった。だが、いつしかそれが恋心へと変化する。  しなやかで長い手足。  長い前髪に隠された整った顔立ち。  本気を出せば、学年一だと噂される知能。  同じく本気を出せば、どんなスポーツもこなすと噂される運動神経。  女生徒ならずとも、惹かれるのは女としての本能なのかもしれない。それは、優秀なDNAを有するオスに、その子孫を残したいと思うメスの本能。  紗理奈も、そうなのであろう。  そんな紗理奈は、洋輔の為に女生徒を近付けない努力を始める。
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