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受付のカウンターに頬杖を付き、紗理奈はそう呟いた。
立頭大付属高校は、地域でも有数の進学校。その偏差値の高さから、有名な名門校と誉れ高い。
そんな学校でも、学力に難のある生徒はいるものだ。
洋輔は、そんな生徒の間で有名であった。
特に、女子の間では。
「まさか、教師よりも教えるのが上手いなんて、あの姿からは想像も出来なかったわよ」
その為に、女子が図書室を訪れるようになった。
紗理奈も、それで洋輔を意識するようになった。だが、いつしかそれが恋心へと変化する。
しなやかで長い手足。
長い前髪に隠された整った顔立ち。
本気を出せば、学年一だと噂される知能。
同じく本気を出せば、どんなスポーツもこなすと噂される運動神経。
女生徒ならずとも、惹かれるのは女としての本能なのかもしれない。それは、優秀なDNAを有するオスに、その子孫を残したいと思うメスの本能。
紗理奈も、そうなのであろう。
そんな紗理奈は、洋輔の為に女生徒を近付けない努力を始める。
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