第一章 新たな力

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   これまで戦ってきた妖は、言うなれば人間界でもメジャーな妖怪であり、名前を聞けば姿が思い浮かんだ。  大入道の名前は、一応は聞いた事がある。  いや、正確には入道の部分だけであり、大入道となると漠然としていて、明確な姿が思い浮かばなかった。  それ故、戸惑ったのだ。 「入道ってくらいだから、巨大な妖のイメージだけどな……」  妖怪の考え通り、調べてみると入道と名のつく妖怪は、全国でいくつか分布している。その体躯は、「山のような大きさ」と記されている事が多い。  だが、時として身の丈が三尺から四尺と、四メートル程度の記述も見かけられる。  その姿は、僧侶のものが多いようだ。  元々、大入道とは大きな僧というような意味がある。  故に、大坊主とも呼ばれるのだ。  ただ、僧侶以外にも実体の無い影のようであったり、僧では無く単なる巨人の伝承もあったりする。つまりは、洋輔のイメージ通りにつかみ所が無い。 「キツネやタヌキが、化けたなんて話しもあるしな」  また、姿以外の伝承についても目を引いた。
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