第一章 新たな力

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   コロボックルが姿を消した理由は諸説あり、アイヌ民族と関わりがあるとも言われている。  コロボックルを妖怪と見るのか。  それに関しては、人それぞれの解釈があるだろうが、洋輔としては一応、妖怪と分類する事にした。  そこで出てくるのが、一寸法師である。  一寸法師は妖怪どころか、いわゆる昔話や童話に分類される架空の話しである。だが、小人伝承の書籍の中には一寸法師を妖怪では無いかと、そう言った記述があった。 「一寸法師が妖怪?」  一寸法師の期限は、日本神話のスクナヒコナに由来するという。  その流れで産み出された一寸法師は、江戸時代に狂歌本で妖怪と詠まれている。 「妖怪だったという事実が、あった訳じゃ無さそうだ……」  そもそも、過去の妖怪に関する書籍を丸々信じたら、現代の生物学などひっくり返るだろう。  洋輔の頭が、若干の混乱を見せた。  妖怪は、実際にいる。  では、現代に残っている書物や伝承は、どこまで信憑性があるのだろうか。  鬼や天狗の伝承も、どこまでが真実なのか。
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