第一章 新たな力

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   洋輔が調べた事に、かなり類似していた部分が多く、伝承の信憑性が高いと言わざるを得ない。  そうなると、小人伝承も真実味を帯びてくる。 「大入道の後に、コロボックルが出てきたら、どう戦えばいいんだよ……」  そこは、洋輔の弱点。  同級生や自分が認めない周辺の人間には、どこまでも冷酷になる洋輔である。だが、無条件に優しくしてしまう対象がいる。  それが、子供。  そこには、幼馴染みの三浦 杏菜も含まれる。だが、体が小さく視覚的に子供のような相手には、無条件で穏やかな気持ちになってしまう。  それは、妖怪の子供でも。  以前に、鬼の子供に対しても優しさを見せた。  コロボックルなど、小さな体躯を持つ妖なら、戦闘になどならないかもしれない。 「今は、考えないようにしないとな……」  洋輔は、そう言って小人伝承の書籍を棚に戻す。  そう、次の相手はあくまでも大入道である。  雲外鏡の口から出てもいない妖の登場を心配し、不安になっている場合ではない。  やるべき事が、他にある。
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