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強く、何よりも強くなる事。
自分の周囲の人々を傷付けずに守れるくらい、自分の仲間の妖が傷付くのを見ないで済むように。
「今まで、本気でやった事は無かったけど、やるしかないもんな」
洋輔の目に、決意の色が宿っている。
そして、そのまま図書室を後にした。
大久保 紗理奈は、また新たな洋輔の魅力を発見した。
これまで彼の姿を見てきたのだが、図書室に押し寄せる女子に対して顔をしかめるか、寝顔しか見せてこなかった。
決意の顔。
整った顔立ちが引き締まり、真っ直ぐに正面を見据えている。
紗理奈の姿など目に入っていないのは、これまでと変わっていないが、彼の生きた目を初めて見た。
「素敵……」
熱病にうなされたように、紗理奈は既に立ち去った背中を見つめていた。
そして、恋心も加速する。
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