第1話

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高校二年の夏。 何も楽しみもない高校生活があと半分で終わると思うと、少し嬉しかった。 まだまだ先の事だけど、何せ女子高だから出会いなんてものはなく、友達伝いに紹介してもらう男の子と遊んで付き合って。 なんて事ばっかりだった。 「椿!この間の人とどうなったの?」 休み時間になると、待っていましたと言わんばかりに友達の美夏が前の席に腰掛けた。 「んー…ない。」 あはは、と少し渇いた笑いを浮かべると美夏は「やっぱり…」と呟いた。 「椿ってさ、なんかよくわかんないよね。 大人っぽいっていうか、男なんていらなそうな感じ?」 声を出しながら笑う美夏を椿は少しだけ睨んだ。 「どういうことよ、それ。 はっきり冷めてるって言ってよ。」 確かに周りからは“冷めてる”と言われる。 本当に冷めてる訳じゃなくて 楽しいこともない毎日が退屈だったってだけなのに。 「彼氏がほしい訳じゃないよ、 出会いってーのは自然とやってくるものだと思います。」 「言うね~。 でも美夏は彼氏欲しい!」 美夏は可愛いと思う。 本当に。 思ったことを素直に口に出すのに、 絶対に敵を作らない。 羨ましいと何度思った事か。 それから少しして、 放課後の約束をし美夏は自分の席へ戻っていった。
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