第1話

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家に着くなり指定された時間まであと数分だということを知り、焦ってテレビの前に座り込んだ。 このあとすぐ、インタビューが始まる。 アナウンサーの告知の後、CMに移る。 その間に制服を脱ぎ、部屋着に着替えた。 この時何かがもう始まっていたのだ。 CM明けのテレビには先輩の高校。 練習風景と部員のインタビューが流れた。 その中にはカズ先輩がチラチラと映っていて、なんだか嬉しい半面、笑ってしまう。 「先輩かわんないな…」 「それでは、見事、花園出場を決めた**高校の主将にインタビューです!」 アナウンサーの次に映った画面。 そこには男の人か一人映っていた。 惹き込まれる。 時間が止まった様に、一瞬にして 釘付けになった。 男臭いとは程遠いキレイで 整った顔。 テレビでもわかる程の長身。 がっちりした体の男の人。 生まれて初めて、 “一目惚れ”というものをした。 それからは彼の言うことさえ耳に入らないくらい 彼を凝視し、そのうちにインタビューは終わってしまった。 かっこいい。 ただその一言。 名前すら見れなかった程、キレイで、 笑った顔が可愛くて。 その日から、彼を「ウサギさん」と呼ぶようになった。 それくらい笑った顔が愛くるしくて、 真剣で。
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