第1話

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「なにそれ、ウサギって!」 次の日、美夏はお腹を抱えて笑った。 「だってウサギみたいだったじゃん!」 「いや、確かに。椿からウサギって言葉が出てくると思ってなかった。」 またケタケタとわ笑う美夏に釣られて笑う。 「気になるなら、その先輩に言ったらいいじゃん、 紹介してもらったらいいよ。」 ニヤニヤと口角を上げながらこちらを見る美夏。 「嫌だよ、一回見ただけなのに。 って言うかテレビの中だし。」 好きとかじゃないんだと思う。 多分。 でも知りたいと思った。 彼を沢山知りたいと思ったし 会いたいと思ってしまった。 ただ一度見ただけの彼を、 忘れられないなんて気持ち悪いよな。 色々と考えているうちに 季節は夏になり 何かが動き出した。 帰りの電車の中。 光る携帯。 夏の匂い。 そっと携帯を開いた。
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