第1話

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ーーーーーーーーーー 受信:カズ先輩 件名:花火大会 本文:そっちの花火大会そろそろだろ?   彼氏もいない椿に会いに行くよ。 ーーーーーーーーーー フッと笑ってしまった。 失礼な。 考えもせず返信画面に移す。 ーーーーーーーーーー 送信:カズ先輩 件名: 本文:寂しい女子高生に会いに来て   なにするつもりですか。   花火大会は二週間後ですよ。      そういえばテレビ観ました。   先輩見て笑っちゃった。   ウサギさん、かっこよかったです! ーーーーーーーーーー 勢いで打ったメールを見返す事もなく 送信ボタンを押して後悔した。 今なんか マズイこと送っちゃったかな。 わー。 先輩からの返信が待てないほど ソワソワし始める。 周りの人から見たら どんな風に写ってるんだろう。 見たらいけませんレベルなのは確か。 それくらい焦っていた。 案の定、先輩からのメールは遅れてきて、 と言うか、練習中なのだろう。 返信が来たのは部活が終わったと思われる 午後九時を過ぎてからだった。 ーーーーーーーーーー 受信:カズ先輩 件名:つか 本文:ウサギって誰だよ、俺か!(笑)      花火大会、俺の親友が行きたがっててさ。   もしかしたら行くかもしんねー。 ーーーーーーーーーー やっぱり、そうきたか。 誰って問われるのはわかってた。 けど、先輩からウサギのウの字も感じないよ。 ーーーーーーーーーー 送信:カズ先輩 件名: 本文:いや、ウサギさんってのは   主将さんのことで(汗)   可愛い感じがウサギみたいで。   言わないで下さいよ!   花火大会来れたらいいですね、   来れたら一緒に行きましょう。 ーーーーーーーーーー パタンと携帯を閉じる。 恥ずかしい事をしてしまった。 心の中で後悔よりも恥ずかしさの方が 一杯になる。 じっとしていられなくて 枕元に携帯を置いて 歯を磨きに下へ降りる。 歯ブラシを口に加えたまま考えた。 先輩、どう思ったかな。 自然と指が彼の事を打っていたと言うことは やっぱり自分自身、どこかで 彼と接点を持ちたかったのかな。 色々考えた後、 口を濯いで部屋へ戻ったけれど 先輩からの返事はなかった。 それから一週間、先輩からのメールは 来なかった。
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