28  終焉

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醜悪なスプリンター達がピッチ走法で坂を駆け上がり、続いて追いかけて来る。 一方 助手席下からECU(コンピューター)を引っ張り出し何やら作業を行う矢口 山本「高林さんが奴等を全部引きつけながら上に上がって行きました」 矢口が手こずった様子で電子系をいじくりながら頷いた。 矢口「了解…さっきのとは違って今回は少々時間食いますね」 山本「何をしてるんです?」 矢口「この車種はキーレスの認証コードとシステムのコードが一致しないとエンジンがかからない構造になってるからこの内蔵されたコンピューター自体を一度初期化して新たに書き換えないといけなくて…正直ちょっと時間かかります」 山本「どれくらいですか?」 矢口「後10分…いや…8分…なるべく早くやります」 山本「ちょっと待って下さい 書き換えって…そんな今からじゃ無理ですよ…プログラミングしなおすなんて膨大な時間が必要ですよね!?それにいくら整備工経験ある神の手の矢口さんでも…専用の端末なしにプログラミングの改変なんて10分以内に出来るとは思えません」 矢口「初期化といっても別に全部じゃ無いです、防犯装置の信号だけですから」 ブラインドタッチで小型ECUのキーボードを叩く矢口 カタカタカタカタカタ
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