28  終焉

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右手に握られた金属バット 矢口が数歩前に出た。 矢口vs力士タイプ感染者 「…ごっちゃああんです…極め倒しで…け…結果にコミットするばってん…もももんゴリアン相撲の真髄…」 両拳が地に着けられ、戦闘態勢に入った力士型感染者 「…行くよくるヨヨで…八卦よ~い…」 両手でグリップを握り締め、矢口も臨戦態勢に入る。 そして顔を上げた力士タイプの感染者 その両目玉がカメレオンの様に変則的な躍動で不気味に矢口を見据えた。 その1秒間の間を開けた 次の瞬間 「…のこったノコったノコった」 膝を曲げ、低姿勢な摺り足での突進 巨漢らしからぬ身の動きで、前進しながら右の張り手が放たれた。 バカァ ガシャャ サイドフレームがヘコみ、衝撃でリア窓のガラスは割れ、車体が大きく横揺れを起こした。 側面へと回避していた矢口が力士感染者の後ろに周り込み、数歩バックする。 矢口「こっちだデブちょん」 振り返る力士型感染者 「…さば…鯖を折らせろぉぉ~ さ…サバイバル…背骨バキバキにへし折らせろ…バキ…バキ…グラップラー?…さ…サバ…さ…サバを読む…え~私 こう見えても現在12歳なんですぅぅぅ」 ねっとり糸引く涎を垂らした力士感染者が再び摺り足で向かって来た。 バットを振りかぶり、対面からぶつかっていく矢口が脳天目掛け繰り出すや、バットは胸部へと直撃した。 脂肪が波打ち、ショックは軽減、手応えは無い すると ビンタの様な大振りな張り手が飛んで来た。 矢口は頭を引き、紙一重でそれを回避 すると今度は矢口の胸板に手が置かれた。 矢口「ぐぅ」 鍛えぬかれた矢口の分厚い胸板だが… 張り手で押し出され 矢口は後ろへ弾き飛ばされた。 張り手の押しを受け、マッチョな身体が簡単に飛ばされたのだ ザザザと引きずらせながら背中を地に着けた矢口。 俺がこんなにも軽く飛ばされるなんて…なんて大力無双だよ… 矢口はすぐに起きあがろうとするや またも摺り足で向かってきた力士感染者の姿 ヤバい… 矢口は急いで立ち上がった その瞬時に、両腕が腰へと回され 捕まった。
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