28  終焉

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しまった…クソ… そして矢口の両足が地から浮き上がり 軽々持ち上げられた矢口の身体 ベアハッグ態勢で矢口が捕まってしまった。 「…鯖折りりで…ぽ…ポックン こう見えても結構サバサバししししした性格なんんで…さ…さぁー 砂漠…さ…サバンナ ブラジルの皆さんこんにちわぁ~…さ…さぁー さ?コンサバぁー」 力が加えられプレスされる腰 締め付けられ激痛が走り出す 矢口「ぐっ かあぁ」 このままでは鯖折りで真っ二つに身体ごとへし折られてしまう… ミシミシと軋む背骨 マッスルボディーな矢口の身体が激痛で弓なりに歪曲している。 腕に力が入らない… イタチの最後っ屁なる一撃も…加えられず また…頭が真っ白になり 窮余の一策さえも浮かばぬ最大級なピンチに矢口の握力も弱って行った… 金属バットを握る手から小指が離れ、薬指、中指と順々に離れて行く… 「…サバ…サ…さ…サーバー…オブサーバー さ…サンバ…今日早智子様とクルージングディナー行って…素敵な夜景見ながら けつこんをインオブ眼中に入れた さ…サバ? い い 一世一代のしょ勝負かけてみますですます…もしオーケーでたら幸せな気持ちでそののままハプニングバーでも行ってやって…カサンドラ症候群だからいい子いたら即違う子とスワッピングしてトレードして…終いにはソープにでも沈めてやろうかと目論んでいます はい そう思ってますので頑張ります」 徐々に力を込めながら、長々と独り言を呟く力士型感染者 矢口「ぐあぁあ」 発狂しそうな程の激痛に力が抜き取られ、かろうじて人差し指と親指のみで掴まれた金属バット ここまでか… 矢口の脳裏に死がよぎった そして…このまま殺される… 頼むぞ…ばやし君…山本さん… もう駄目だ…と矢口が目を瞑り、そう思った時に それは起こった。 キュルルルル ブォオォォォォォォン 突然耳に入り込んで来たこの音… 矢口が目を開けた。 レクサスのエンジン音だ 矢口が身体を上げ、後ろに目を向けるや 既にハンドルを握る山本の姿を目にした。 すると キィィー 急発進によるタイヤの摩擦音が鳴り響き 急発進で動き出したレクサスが力士型感染者に激突 アクセルを踏む山本によって車が体当たりされた。
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