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一方的な早口マシンガントークで喚く力士型感染者
1500キロ近い車体が浮き上がり
腰元まで上げられたタイヤが徐々に持ち上がって行く
傾く車、矢口の身体が車内に滑り込んで来た。
どうしよ…どうしよ…
テンパる山本は何も出来ず、ただハンドルにしがみつきながら感染者を見据えた。
感染者の胸元までタイヤは上げられ、勾配がきつくなって行く
山本が力士型感染者と目を合わせた途端
力士型感染者が不気味な微笑みを投げかけて来た。
山本「わぁぁぁぁぁ」
山本の絶叫が駐車場に轟いた。
いよいよヤバい……なんとかしなきゃ…この貴重な車を転覆させる訳には…
自分がやらなきゃ…
左手に握るアンカライトナイフを強く握り締め
傾斜する運転席から山本が身を乗り出そうとした時
矢口がいち早く身を起きあがらせていた。
ルーフに片手をしっかり掛け落下を免れつつ
構えられた金属バット
その直後バチコンと音を鳴らし
顔面にバットをナイスショットさせた。
顔面に直撃を受けた力士型感染者の両手が車から離れ、顔を覆って怯んだ身体
レクサスが勢いよく着地、タイヤが軽くバウンドし、山本の身体が車内で揺れる
また矢口はフロント部から助手席に滑り乗りながら山本へと告げた。
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