28  終焉

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矢口がケツを浮かせ、座席の細かなガラスの破片を払った。 山本「高級車が既にこんなボロボロで勿体ないですね」 矢口「車に興味あるんですか?」 キィィィー 天井に掛けられたら誘導看板に従い順路を一周する車 山本「えぇ 持ってないので欲しいは欲しいです 車は一種の男のステータスですからね まぁ 維持費やら駐車場代やらを考えると中々踏み切れない所ですけど…」 矢口「確かに!駐車場の相場が3万って高過ぎでしたね 加えて緑虫の駐禁は厳しいし…盗難は多いし…一通も多いし、渋滞も多いし、何より小さな子供を1人持つ様なもんですから簡単に踏み切れないのはよく分かります しかもインフラがこれだけ整ってる都内なら電車もバスもタクシーもバンバン走ってるのでマイカーは別にいらないよ感も強いですしね」 キィィィー 山本「えぇ 僕はペーパー歴6年です もはやゴールドですよ まぁ あればあったで便利でしょうけどね…休日に洗車でもしてみたい憧れはあります」 矢口「ふ~ん じゃあ これが終わったら 高級車漁りでもしますか?」 山本「まじすか?いいですね 欲しいです」 矢口「じゃあこれが終わりましたら」 山本「はい あ!上に上がるのはあそこですね」 上にあがるスロープが見えた その時だ バックミラーをチラ見した山本が突然慌てた口調に変わった。 山本が後ろへ振り返りながら 山本「矢口さん 大変です」 矢口も振り返るや後方のピラーにしがみつく2本の腕が見えた。 次の瞬間 不気味な眼球運動する顔がにょきっと覗かせた。 一瞬 血の気が引く2人 山本「さっきの関取…」 矢口「山本さん もう一周して 奴を振り落とす」 山本が頷くや急遽コースが変更され、スロープ手前でステアリングが切られた。 キィィィー コーナーを曲折するレクサス 矢口は座席を倒し、金属バットを手に取るや後部席へと移る 「せ…拙者の最終奥義は…よ…寄り切り…あとは…背骨をバキバキへし折る鯖折りばってん…サバ…鯖…サバの塩焼きが我が輩の大好物ですのん…ちゃんこに生姜は入れて下さい…何故かって?僕は今夜念願のミス早智子とデナーなので…わんぱく相撲で3年連続3位の実績がある有能な実力者です…はい…こう見えてもハートは…コミットしますです…はい…」
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