7575人が本棚に入れています
本棚に追加
矢口がケツを浮かせ、座席の細かなガラスの破片を払った。
山本「高級車が既にこんなボロボロで勿体ないですね」
矢口「車に興味あるんですか?」
キィィィー 天井に掛けられたら誘導看板に従い順路を一周する車
山本「えぇ 持ってないので欲しいは欲しいです 車は一種の男のステータスですからね まぁ 維持費やら駐車場代やらを考えると中々踏み切れない所ですけど…」
矢口「確かに!駐車場の相場が3万って高過ぎでしたね 加えて緑虫の駐禁は厳しいし…盗難は多いし…一通も多いし、渋滞も多いし、何より小さな子供を1人持つ様なもんですから簡単に踏み切れないのはよく分かります しかもインフラがこれだけ整ってる都内なら電車もバスもタクシーもバンバン走ってるのでマイカーは別にいらないよ感も強いですしね」
キィィィー
山本「えぇ 僕はペーパー歴6年です もはやゴールドですよ まぁ あればあったで便利でしょうけどね…休日に洗車でもしてみたい憧れはあります」
矢口「ふ~ん じゃあ これが終わったら 高級車漁りでもしますか?」
山本「まじすか?いいですね 欲しいです」
矢口「じゃあこれが終わりましたら」
山本「はい あ!上に上がるのはあそこですね」
上にあがるスロープが見えた
その時だ
バックミラーをチラ見した山本が突然慌てた口調に変わった。
山本が後ろへ振り返りながら
山本「矢口さん 大変です」
矢口も振り返るや後方のピラーにしがみつく2本の腕が見えた。
次の瞬間
不気味な眼球運動する顔がにょきっと覗かせた。
一瞬 血の気が引く2人
山本「さっきの関取…」
矢口「山本さん もう一周して 奴を振り落とす」
山本が頷くや急遽コースが変更され、スロープ手前でステアリングが切られた。
キィィィー
コーナーを曲折するレクサス
矢口は座席を倒し、金属バットを手に取るや後部席へと移る
「せ…拙者の最終奥義は…よ…寄り切り…あとは…背骨をバキバキへし折る鯖折りばってん…サバ…鯖…サバの塩焼きが我が輩の大好物ですのん…ちゃんこに生姜は入れて下さい…何故かって?僕は今夜念願のミス早智子とデナーなので…わんぱく相撲で3年連続3位の実績がある有能な実力者です…はい…こう見えてもハートは…コミットしますです…はい…」
最初のコメントを投稿しよう!