28  終焉

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「どすこい…ドスコイ…ドスこい…ドス恋…ドス鯉…DOSコイ…どす小岩…度す子犬…℃酢小池」 近くを走行するセルシオには目もくれず 横断しながらレクサスのみを目指し突っ走って来る力士型感染者 距離を離したレクサスが急に止まるやバックで車庫入れされ、方向転換が成された。 助手席のパワーウィンドウがオートで開かれると 矢口「準備オーケー?」 山本が窓から身を乗り出し金属バットを構えた。 山本「オーケーです」 ABS(アンチロックブレーキングシステム)ESC(姿勢安定装置)の解除ボタンを押す矢口 この人何する気だ…? 山本がバットを構えながら緊張を走らせた。 ハンドルを握る指が叩かれ エンジンの回転数を上げふかしながら 何かのタイミングを見計らう矢口 そして、その指を叩く手が止まり 矢口の目つきが鋭くなったと同時にサイドブレーキが引かれ、レクサスが急発進された。 L字の先からダッシュする相撲取りの姿を目にする山本 一気に加速し70キロまでスピードを乗せたレクサスがコーナー手前に差し掛かるや 出会い頭に力士型感染者の姿が映った。 その瞬時… 矢口によってブレーキングと共にサイドが引かれた。 ギィィィィ 前荷重された車体によりリアタイヤが浮きあがり リアが滑りながら矢口が絶妙なハンドリングで切り込ませ、ケツを出す それと同時に逆ハンでケツを調整 バーンアウトで路面から摩擦による微かな煙りがあがり アクセルワーク、カウンターステアリング捌きで後輪が綺麗に半円を描き、スピンするレクサス 矢口がカーブでドリフトをキメた。
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