28  終焉

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矢口等が車捜索に向かった同時刻 1階 東門 館内 ふと まぶたが開き、意識が戻ったハサウェイ 館内の隅に寝かされた身体 目覚めたハサウェイが辺りに目を向けるや 純や「いてて…」 同じく隣りで寝かされていた純やも目を覚まし、既に上体を起こし、頭をさする姿を目にした。 ハサウェイ「ここは…」 純や「あ!目覚めましたね…分からないです」 まだぼやけた意識の中、状況把握出来ない2人が辺りに目を向けると スタイルが近づいて来た。 流す涙を枯らす程真っ赤に目を腫らしたスタイルが2人の前でしゃがみ込み、純やの手を握り締めながら口にした。 スタイル「良かった 意識が戻ったのね ホント貴方達だけでも生きててくれて良かった…」 純や「痛い痛い痛い」 握力が籠もり過ぎ痛がる純やとスタイルを目にしながらふと記憶を蘇らせたハサウェイ そういえば… 俺達はまだ戦闘の真っ只中の筈… 芹沢はどうなった…?  理沙は…? ハッ ハサウェイ「エレナは…?」 ハサウェイは上体を起こしながらそう叫んだ ハサウェイ「ぐっ」 身体に激痛が走り、顔を歪ませるハサウェイ スタイル「ハサウェイ 駄目動いちゃ 寝てて」 ハサウェイ「なんで俺達だけここに…? エレナは? エレナ達はどうなった?」 スタイル「詳しくは分からない…矢口さんが気を失った貴方達2人を担いで連れて来たのよ 脱出するぞって!今 高林さんと山本さんと3人で脱出用の車を探しに行ってるわ」 純や「俺達だけ脱出…」 壁にもたれながら立ち上がろうとするハサウェイ スタイル「ハサウェイ 駄目よ 動いちゃ」 ハサウェイ「エレナを置いて自分だけ脱出なんて出来る訳ない」 スタイル「駄目!これは江藤さんの指示だって矢口さんが言ってた 私達と一緒に脱出して」 すると 純や「ん?スタイルさん今何て言った?誰の指示?」 ハサウェイ「そうか…おまえ知らないのか…江藤は目を覚ましたよ」 純や「え?」 スタイル「江藤さんは人に戻ったわ」 純や「え?え?」 ハサウェイ「エレナも江藤もほっておけない…俺達だけ脱出なんて出来ないよ…するならここの生存者さん達だけでも連れてってくれ」
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