28  終焉

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岩渕「フッ…かはっ…逃げろか…民間人に言われちゃプロ失格だな」 江藤「もうこれ以上犠牲は出したくありません 後は俺達にまかせて早く逃げて下さい」 岩渕「いいや 任務放棄は死よりも屈辱的だ 俺も残る あのブラックボックスを排除するまではな…」 江藤「……」 流血する腹部を押さえながら起き上がった岩渕を傍ら目にする江藤 江藤「……なら出血多量でくたばる前にまずは止血を」 岩渕「あぁ… そうだな」 岩渕は服を剥ぎ腹部の傷口を確認した。 握り潰され、再起不能な程不規則に折れ曲がる右手をぶらりと垂らし 岩渕「すまない 一瞬だけ治療で席を外すが…戻ったら全滅してるとか勘弁しろよ」 江藤「えぇ 死なない努力はします」 理沙「よくも理沙の目を~ 見えない~ 見えないよ~ 」 目を手で覆いながらうずくまる理沙 本体から切り離された数本の触手が陸に揚げられた魚の様に床でのたうっている。 その光景を目にしながら立ち上がる岩渕 岩渕「すぐに戻る」 江藤「わかりました お大事に」 岩渕はよろめき、患部を押さえながらその場から退避を始めた。 理沙「うぐぐぐ ヒューマンの分際でやってくれたわねぇ~コンチクショー」 うずくまる理沙に目を向けるエレナと江藤 被弾した後頭部や肩から泡が立ち込め復元能力が発動されている。 そして… 理沙「何も見えない 何も見えない………って…ウッソピョン バァー」 潰された筈の眼球も元通りになる理沙がおどけた表情でエレナに振り返った。 新たに生え替わる体液に濡れた触手が空中を浮遊している。 神速なスピード 復元能力 背中から生えた6つの触手 無敵な強さを誇る屍鬼の女王 理沙 理沙が悠然とエレナ、江藤の前で立ち上がった。
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