2 戦慄

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ハサウェイ「エレナさん それと一つ知っておいて欲しいんだけど、奴等は俺達人を見つけると狂った様に追いかけてくるけど、もし人がいない場合はどうしてると思う?」 エレナ「ウロウロ歩き回ってるかな…」 ハサウェイ「勿論それもそうだけど、獲物がいない場合 奴等は生前行っていた生活習慣行動やら思い入れの強い行動をし始めるんだ」 エレナ「どうゆう事ですか?」 ハサウェイ「例えば毎朝6時に起きて一時間のジョギングをしてた奴がいるとするよね そいつは毎日決まった時間に同じコースを走り始めるんだ それが打ち込んでたスポーツだったり趣味だったり、仕事だったりと、人間だった時の疑似行動を繰り返し行い始めるんだよ…身体に擦り込まれているのかな?」 純や「奴等は、深夜になると寝たりもするんだよ 集団でアホ面の雁首揃えてボォーと突っ立ってたりしてる 知能はからっきし無いけど人間らしさはずっと保っていたいのかね…」 ハサウェイ「地下鉄の線路なんて基本一般人は入らないでしょ、だから徒歩で移動する場合地上よりはややこちらの方が安全なんだ ただし点検作業員のゾンビに出くわす事もあるから油断は出来ないし、駅のホームは危険だけどね」 純や「そういえば今何時?」 江藤は、腕時計に明かりを灯しながら「9時ちょい過ぎです…時間的にまだマズいですね…」 純や「ハサウェイさん そろそろ駅のホームですよ 今…朝の通勤ラッシュ真っ只中の時間帯です どうします?また深夜になるまでここで待機しますか?」 ハサウェイ「今日は何曜日だ?」 純や「日曜です。」 ハサウェイ「平日じゃないな…待てない…これから江藤と2人で見て来るから2人はちょっとここで待っててくれ」 純や「今回はエレナさんもいるし、後一駅分距離もあるんで気付かれないよう気をつけて下さいよ」 ハサウェイは軽く頷き肩に掛けられた競技用の折り畳み式弓矢を広げ、手にした。 そして、江藤と2人でライト無しの真っ暗闇の中歩行 50メートル先 ホームに取り付けられた非常灯の微かな光が見えてきた。 2人は、足音を殺しながら慎重に近づく 緊張が走りハサウェイの心臓の鼓動が速くなる。 2人は駅ホームの先端に到着、身を屈めながらハサウェイがゆっくりと陰からホームの様子を伺った。 次いで江藤もゆっくりと顔を覗かせ 辺りを見渡す2人の瞳孔が大きく見開き、2人は戦慄した。
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