20 開戦

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深夜2時を回った頃… 空から稲光と共に雷鳴が轟き、振りしきる雫が次第に激しさを増していった。 人の声など瞬時にかき消される程の落雷音!電気の消えた廊下に窓から差し込む連続的な閃光に照らされる4つの人影… そして、自然が作り出す光に照射された一つの影が崩れた。 床に一体の感染者が横たえ、動きが止まった。 芹沢「ザッ!曲がった先にもう一体いるよザッ!」 芹沢は、警備室からトランシーバーを使い龍谷達へ指示を送った。 今!ビル全域が芹沢の監視下に置かれ掌握されている。 芹沢はモニター画面を通して感染者の位置、数を手に取るように把握していた。 無論!エレナ達の姿も鮮明に映し出され… 芹沢は、チラリと視線を送った。 EV前でエレナ達一団が話しをしている様子… 龍谷達が角を曲がった先に感染者の後ろ姿が見えた。 先頭を歩く健太は、感染者が目に入ると同時に何のためらいも無く発砲。 感染者の後頭部に弾痕なる風穴が開くと、肉片が飛び散り、ダイブしながら前方へ倒れた。 情報と先手により4人が通った跡に感染者の死体のみがまるで道標の様に転がっている… 余裕かつ無敵な足運びで、龍谷達は標的を目指していた… 健太とキラーは、エレナが使用してるのと同じ警官用拳銃ニューナンブを所持している。 双方並行して先頭に立ち、芹沢からの指示を受けると同時に競う様に…我先にと標的を捕捉! 同時に射撃へ転じ、どちらがヒットさせたのか?どちらが射殺したのか? 明らかにゲーム感覚で彼等の眼に入った全ての感染者やゾンビはことごとく排除されていった。 こいつらにとって世界を滅ぼす奴等の存在も単なる獲物に過ぎないのか…? 芹沢がモニターでその光景を見ながら違う画面をチェックしていると背後から気配と共に微かな吐息と微かな唸り声が聞こえてきた。 芹沢がゆっくりとチェアーを回しながら背後へ振り返ると!そこには龍谷によって心臓部を刺され絶命した筈の修平が立ち上がろうとしている… おおます、前田、晴菜、スギゾーに次…出発直前に殺された修平… その死体がゾンビとして甦り、襲いかかろうとしている最中、芹沢から焦りや恐怖は一つも見られなかった… 
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