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エレナは、何が起きたのか状況が呑み込めていない…ただ分かるのは…今もまだ生きている
エレナがふと視線を向けた先に、燃え尽き大破した車の屋根に立つ男の姿を捉えた。
「納期には間に合わせますんで納期には間に合わせますんで…」
大声で叫ぶ感染者の声にエレナは前方へ顔を向けると遅れてやってくる2体目の感染者を目にした。
メガネをかけたボロボロなスーツ姿の感染者がエレナを狙い突進してくる。
恐怖で凍りついた身体をやはり動かす事が出来ないエレナは、ただその場に立ち尽くしていた。
左右の眼球を不規則に動かし、キチガイな面した感染者が15メートル手前まで近づく
エレナが目を閉じた その瞬時
今度は、エレナの背後から不意に金属バットを手にした男が現れ、感染者の前に立ち塞がった。
そして、男はバットを構えながら瞬時にしゃがみ込み、同時にフルスイングで感染者のスネ部分へバットを振り抜いた。
両足の骨が砕ける音がした。
感染者は、勢い良くヘッドスライディングで地面に叩きつけられる。
目の前で繰り広げられる場面に
エレナは、まだ状況を把握しきれていない…茫然とした表情を浮かべていると、地に伏せた感染者が腕力で起き上がろうとた。
だが 両足の骨を砕かれた感染者に立ち上がる事など出来ず、歩伏前進でエレナに迫る。
「納期までには間に合わせますんで…」
延々とそのフレーズを口にしながら、両足を引きずりゆっくりと近づく感染者
すると 今度は、アーミーナイフと何処にでもある家庭用の包丁を握り締めた男が突然現れ、ゆっくり感染者へ近づいた。
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