ダンジョン始めました

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「最初に大きな部屋を創った方が良いずらか」 「無理無理。魔力が足んねぇよ 今は…通路が10メートルってとこだ」 「なら魔物を創るずら」 「スライムな。一匹なら出来るぜ」 「スライムは駄目ずら。 他のが良いずらよ」 「んだょ面倒なカスだな。あ~もう少し貯まればゴキGが出来るぞ」 「それで良いずら」 「まだだっつーの 村に戻って吸収して来いや!」 ビュン そんな音と共にコアルームから消えるオラオは、最初にダンジョンコアを発見した畑の隅に転がっていた。 「やっべ、ゴキの分使っちまった カスが持って来る分をあてにするか」 コアの独り言は当然オラオに届く事はなかった。 「ベッベッ 口の中がジャリジャリするずら」 そんな事を言いながら、やりかけだった畑仕事を再開するオラオだった。 日が傾き始め、空を赤く染める前の時間になってようやく畑仕事に区切りを付けたオラオは、夕飯の支度の為家に向かう。 畑の脇を抜け、村にたどり着く頃には、あちこちの家から煙が立ち昇り本日最後の喧騒を伝えてくる。 暗くなれば、灯りは囲炉裏の炎だけとなり、行灯の燃料となる菜種等栽培している家も自分で使う事は殆ど無い。 太陽が昇ると働き、沈めば眠る。 娯楽と言えば収穫の祭や夜這い、繁殖行為しか無いこの村だが、他の村でも変わりは無い。
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